知らないと雑菌だらけ?発泡スチロールのカビと黄ばみの取り除き方法【食品・物流・市場】
「発泡スチロール製の箱にカビが生えてしまったのですが、食品を運搬するのに使っているので、塩素系の臭いがきついカビ除去剤は使えません」
「かといって箱自体がそれなりに高価なので、すぐに交換することも躊躇します」
それでは強アルカリ電解水での洗浄を試してみてはいかがでしょうか?発泡スチロールを再利用する場合の手入れが楽になります。
カビを取り除くだけではなく、カビの発生も防いでくれる効果もあります。また塩素系のカビ除去剤のように臭いがきつくなく、薬剤の使用もないため箱や人体に影響がないです。
このブログでは発泡スチロールの汚れと強アルカリ電解水での洗浄について、深堀りしていきます。
発泡スチロールにカビが発生する原因
発泡スチロールに付着した動物性の脂肪分を養分と水分を利用して、カビ胞子がカビに発育するのです。発泡スチロール自体の材質は、石油からできたポリスチレンが2%で空気が98%なので、カビが発生する養分とはなり得ません。
ちなみにカビやカビ胞子は空気中にあり、それが発泡スチロールに付着します。室内空気1m³には、カビが数個から数千個浮遊しています。残念ながら室内カビ数の衛生基準はありませんが、一般的に、1㎥あたりの空間で100個以下は少ない、1000個以上であれば多いといえます。
内部で運搬のみに発泡スチロール箱を使用している場合
作業によって人の手の油分が発泡スチロールの通い箱に付着することで栄養分となり、カビが発生すると考えられます。
食品運搬・宅配に利用している場合
基本的には作業によって人の手の油分が発泡スチロールの通い箱に付着することで栄養分となり、カビが発生すると考えられます。また運搬する食品にもよりますが、食材のタンパク質や油分が発泡スチロール付いて、養分となりカビが培養されていくのです。
市場などの水産系で利用している場合
一番、カビが発生しやすい環境と言えるでしょう。なぜなら湿度、温度、栄養のカビが発育する三条件が全てそろっているからです。主な原因は箱の中に入っている魚の栄養分と魚を新鮮に保つ水が原因となります。
塩素系洗剤でのカビの除菌
塩素系の洗剤はカビ自体を殺して取り除くことはできますが、カビの発育する原因の栄養分は取り除かれないのです。塩素系洗剤は除菌力はあっても洗浄力がないからです。
塩素系洗剤のみ使うのは危険!?
通常の界面活性剤入り洗剤や石けんなどは水の表面張力を小さくすることが可能です。しかし塩素系洗剤にはその性質がありません。
したがって汚れを取り除かないまま塩素系洗剤で除菌をすると、栄養素となる汚れ(有機物)が残ったままなので、またすぐにカビが生えるのです。
また塩素系の洗剤はニオイが強く、食材などの風味を変わってしまうことにより、お客様からのクレームにつながるので避けるのが無難です。どうしても使用したい場合は、なるべく量を最小限に抑えて使用してください。これは洗浄をしっかりすることで実現は可能です。
塩素系洗剤を使用する場合の洗浄方法
塩素系洗剤を使用する前に中性洗剤などの洗剤水やもしくは強い打力のある洗浄機で、発泡スチロールに付いている目に見えない汚れをしっかり洗い流しましょう。
そのあと少量の塩素系洗剤で除菌します。その後さらに水ですすぎます。このように洗浄をしっかりすれば、発泡スチロールがカビの生えにくい環境となるのです。
よくカビが取れないからっといって多量の塩素系洗剤を使用している方がいますが、それは間違いです。基本的に塩素系洗剤はモノを酸化させる性質があるので、発泡スチロールの傷みも早くなりますし、人体や運搬するモノにも影響が出てきます。したがってなるべく少量を使用するようにしましょう。
強アルカリ電解水での除菌メリット
発泡スチロールを除菌する際、強アルカリ電解水を使用することのメリットとして以下が上げられます。
1、除菌と洗浄を同時にすることによる工数の節約
2、発泡スチロール自体にカビを生えにくくする
3、すすぎ水がいらないもしくは大幅減
各理由を説明していきます。
①除菌と洗浄を同時にすることによる工数の節約
除菌と洗浄を同時にすることによって発泡スチロールの洗浄作業の工数を減らすことができます。つまり短い時間で作業が終わり、人件費の節約にもなるのです。
強アルカリ電解水には水の表面張力を低くする性質があり、目に見えない、発泡スチロールについた手垢や動物性汚れなどの隙間に入っていくことが可能です。
除菌に関してはph12.5の水素イオン濃度の性質が、発泡スチロールに付着したカビを除菌数するのです。カビの生息範囲はph1~10なのでph12.5のなかでは生きていけないのです。
強アルカリ電解水はこれらの作業を同時に行ってくれるのです。
②発泡スチロール自体にカビを生えにくくする
洗浄力で細かい汚れや油汚れやカビの胞子も洗い流し、さらに水素イオン濃度pH12.5という性質でカビの発生をしにくくするのです。
強アルカリ電解水は水の表面張力を低くし汚れの隙間に入り込む性質だけではなく、さらに強アルカリ電解水はマイナスの電気をもっており、これらの酸性の性質のあるプラスの電気を持った汚れ油汚れや有機物汚れと反発して、汚れを浮かして取る仕組みなのです。
したがって発泡スチロールをカビの生える条件でもある栄養素が少ない状態にするのです。
また発泡スチロールの表面上の環境をph値11.5以上の高い状態にし、生息範囲がph1~10のカビを発育しにくくするのです。
③すすぎ水の削減
残留する薬品がないため、すすぎを少しするだけで問題ありません。また取り扱う製品によってはすすぎをする必要がない場合もあります。したがってカビを除菌した後のすすぎ水や排水のコストを削減することが出来ます。
基本的に塩素系洗剤を使用して除菌した場合、発泡スチロールの表面に塩素成分が残るので絶対にすすぎをしなくてはいけません。対して強アルカリ電解水の場合は水が99.9%でその他の物質が0.1%になるため基本的に残留する薬品がありません。
強アルカリ電解水での具体的な除菌・洗浄?
以前のブログで紹介しましたが、実際に強アルカリ電解水を利用した洗浄装置を利用して発泡スチロールのカビを落とす実験をしました。実験用に少し大型の機械を使っています。
水温50度程度でpH12.5の強アルカリ電解水を機械の中で循環させています。pH値が低くなったり、水の量が蒸発して減ってきたりしたら、強アルカリ電解水生成装置から自動で供給する仕組みです。
強アルカリ電解水は発泡スチロールの細かい隙間に入りこみ、こびりついたカビ汚れを落としてくれます。ちなみに箱は魚の卸売り市場からもらってきたものです。
この発泡スチロールの箱を適度な大きさに切って、洗浄機の中に入れて洗浄をしました。
汚れについては有機物の量を検査する装置を使用して計りました。実際に発泡スチロールの表面の有機物残留の指標は実験前が値が339569RLUに対して、洗浄後は7724RLUになりました。
結局、カビを生えさせないコツは洗浄なのです
カビを除菌するだけではなく、カビの生息条件である栄養(手垢や動物性の油など)を取り除かないと、すぐにまたカビが生えるのです。
したがって除菌の際は必ず洗浄も行ってください。そういった意味で洗浄と除菌が同時に可能な強アルカリ電解水は発泡スチロールのカビを取り除くには非常に効率がよいのです。
強アルカリ電解水の詳細についてはコチラになります。気になる方は参考までに読んでみてください。