アルカリ電解水で金属を洗浄しても大丈夫?【アルカリ電解水の種類によって違います】

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by UmedaMotoe
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「アルカリ電解水って金属に使用できるの?」

「アルカリ電解水って金属をサビさせたりしないの?」



基本的にアルカリ電解水は金属をサビさせません。ただし含有している物質、pHの違いによって金属をサビさせるアルカリ電解水もあります。


また洗浄対象物の金属の材質によってアルカリ電解水が使用できない場合もあります。どのようなアルカリ電解水が金属をサビさせるかサビさせないか解説をしていきます。

アルカリ電解水の種類

アルカリ電解水は色々種類があります。電解質として使用されている物質や濃度によって性質が変わってきます。主に下記のような分類になります。

1、塩化ナトリウム(水酸化ナトリウム)含有
 ・水素イオン濃度が低い(pH11.5~13.2)
 ・水素イオン濃度が高い(ph8.0~10.0)

2、炭酸カリウム(水酸化カリウム)含有


アルカリ電解水の分類根拠

まずは電解質が主に塩化ナトリウムが使用されているか、炭酸カリウムが使用されているかが分類の基準になります。どちらかが使用されているかでアルカリ電解水の性質が大きく変わってきます。

また電解質を使用せず水道水の余分なミネラル分を取り除いて電気分解するモノもありますが、結局生成されるアルカリ電解水に含まれる物質がNaOH(水酸化ナトリウム)なので塩化ナトリウム含有のアルカリ電解水として分類します。

塩化ナトリウム含有のアルカリ電解水の金属への影響

塩化ナトリウムは電気分解されると水酸化ナトリウムへ変化します。この場合のアルカリ電解水の金属への影響を解説します。

水素イオン濃度が低い(pH11.5~13.2)

基本的には金属に使用しないでください。なぜならアルカリ電解水に含まれている塩化物イオンが腐食の原因になるからです。つまり洗浄水と使用したアルカリ電解水は金属をサビさせるのです。塩化物イオンは洗浄対象物表面の不働体被膜を不安定化させることが原因なのです。

塩化物イオン、残留塩素によるサビの原因
引用:「旭化成エンジニアリング 化学装置材料の基礎講座」 
URL:https://www.asahi-kasei.co.jp/aec/e-materials/vol_22.html


また強アルカリ性なので非鉄金属にも使用避けてください。強アルカリによりアルミが黒ずんだりします。

水素イオン濃度が高い(ph8.0~11.0)

鉄でも非鉄の金属にも使用できます。電解補助剤が使用されていなく、生成後に含有されている水酸化ナトリウムの量が少ないからです。


また金属をすすいだ後に洗浄対象物の残渣がなく、水垢(いわゆるウォーターマーク)がでにくいです。それゆえに金属部品や精密機械や特にアルミ素材の部品によく使用されています。

ただし洗浄力や脱脂力が高pHのものに比べるとやや劣ります。またpH11.0以下になるので除菌力はありません。防錆効果もpHが高い方があるので、場合によっては水溶性防錆剤の併用することもあります。

炭酸カリウム含有のアルカリ電解水の金属への影響

鉄やステンレスは問題ありませんが非鉄の金属には使用しないほうがよいです。これは炭酸カリウムの含有率にもよりますが、特にアルミは酸にもアルカリにも弱いので、長時間浸けておくと黒く変色する可能性があるからです。

しかし、炭酸カリウム含有のアルカリ電解水も精密機械部品やプレス・光学塗装部品などの洗浄によく使用されています。


それは高い洗浄力、防錆効果があるためで、どうしても高い脱脂力と防錆効果が必要なユーザーにとっては需要があるのです。

こんなアルカリ電解水は金属をサビさせる

金属が錆びるかサビないかはアルカリ電解水は含有されている物質と濃度もポイントになってきます。これから説明する条件に当てはまるとどんなアルカリ電解水でも金属をサビさせるのです。

薬品濃度が高いアルカリ電解水

アルカリ電解水は塩化ナトリウムか炭酸カリウムの含有率が0.2%以下が基準です。それ以上になると金属を洗浄した時に金属表面に残渣物が付き、サビの原因となるのです。

市場には意外にもこの基準以上のモノが出回っているので気を付けましょう。

最近、私で見つけたアルカリ電解水は水酸化ナトリウム(塩化ナトリウム)0.6%と成分表示に記載がありました。このくらいの濃度になってくると、金属だけではなく皮膚細胞に影響がでてきますので濃度はきちんと確認してから使用してください。

水道水や井水で希釈されたアルカリ電解水

アルカリ電解水の原液を希釈して使用するケースは多いですが、この時に水道水や井水で希釈した水で洗浄すると洗浄対象物がサビやすくなります。

水道水には塩素が含まれており、これがサビの原因となる物質になります。また井水は含まれている物質にもよりますが、基本的にミネラル分が含まれており、それらがサビの原因となり得るのです。


他の洗浄液は金属に対して大丈夫なの?

アルカリ電解水の金属への影響はわかっていただけたと思います。ここでは他の洗浄・除菌液は大丈夫なの?と疑問に思った方もいるかと思いますので軽く解説をします。

次亜塩素酸水

次亜塩素酸水はpH(水素イオン濃度)によって金属への影響が違います。次亜塩素酸水には主にpHの違いにより3種類あります。

1、微酸性次亜塩素酸水 pH5~6.5

2、弱酸性次亜塩素酸水 ph2.7~5

3、弱酸性次亜塩素酸水 ph2.7以下



1の微酸性次亜塩素酸水はステンレスへの影響はありません。ただし鉄の場合は希釈水の水道水の塩素でサビやすいので注意が必要です。2、3は乾燥によって残留した塩化ナトリウムが濃縮されて金属を腐食するので使用しないでください。


アルコール

金属と反応しないので影響はありません。金属の洗浄に一番適していますが、コストが高く大量に使用できないのがネックです。注意していただきたいのが薄めたら除菌や洗浄効果がなくなることです。濃度70%~80%が一番効率よく洗浄できます。


金属の素材と洗浄力のバランスを考えアルカリ電解水を選ぶべし

アルカリ電解水で金属を洗浄するなら、pHが高いモノか炭酸カリウム含有のモノにするべきです。

ただしpHが低いアルカリ電解水はどの金属にも使用できる分洗浄力が弱く、炭酸カリウム含有のアルカリ電解水はアルミなどの非鉄素材を洗浄できません。

洗浄対象物の素材やアルカリ電解水の洗浄力を考慮して、使用するアルカリ電解水を選びましょう。アルカリ電解水を販売している会社によっては洗浄試験を行ってくれる会社もありますので、そのような企業を有効活用しましょう。



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